Q6. 国産牛肉の安全性はどのようにして守られている?
A. 安全な食肉を供給するために、わが国では、生産、流通から消費まできめ細かな衛生管理システムが作られています。生きた牛や豚については、家畜伝染病予防法に基づいて都道府県の家畜防疫員(獣医師)が、と畜場に送致されてからはと畜場法、食品衛生法などに基づいてと畜検査員や食品衛生監視員が、それぞれ検査を実施しています。また、13年10月18日以降、日本では安全な牛肉を提供するため、出荷されるすべての牛に対してBSE検査が実施され、異常プリオンが蓄積する危険な部位(脳、脊髄、眼、回腸遠部位)については、BSE感染の有無にかかわらず除去し、焼却しています。鶏についても、基本的には、同じですが、食鳥検査法という法律によって検査が行われています。
Q7. 輸入肉の安全性はどのようにチェックされるの?
A. 各国とも動物や畜産物の輸入、輸出にあたっては厳重なチェックを行っていますが、わが国に輸入される場合は、農林水産省動物検疫所の家畜防疫官によって動物検疫が行われるほか、厚生省が検疫所に配置した食品衛生監視員によって食品の毒性、添加物、微生物や放射能による汚染などがきめ細かくチェックされています。
Q8. 賞味期限とはどんなこと?どのようにして決められているの?
A. 1997年4月から、食品の製造年月日の表示の義務づけがなくなり、賞味期限表示に変わりました。しかし、日持ちが約5日以内のものについては、賞味期限と製造年月日の併記を義務づけている東京都のような自治体もあります。パック売りの肉にも加工年月日と賞味期限が表示されています。加工年月日とは薄切りや厚切りなどにしてパック詰めされた日。冷蔵保存すればこの期限ならおいしく食べられるというのが賞味期限。必ずしも期限が過ぎたらすぐ傷むというわけではありません。冷蔵庫での保存期限の目安としては牛肉で3日、豚肉は2〜3日、鶏肉は翌日まで、ひき肉はその日に使いきりましょう。
Q9. 食肉にホルモン剤や飼料添加物が残っている心配はない?
A. 家畜の成長促進や病気予防のために、飼料添加物、ホルモン剤、抗菌剤などの動物用医薬品が使用されています。その使用基準や食肉への残留については、安全性の面から飼料安全法や薬事法、食品衛生法などによって厳しく規制されています。
ホルモン剤は家畜の肉質をやわらかくしたり、肉づきをよくして肥育期間を短縮するなどの効果がありますが、わが国では1967年に合成ホルモン剤の使用が禁止され、今後は天然ホルモン剤についても自主規制されることになっています。抗生物質などの抗菌性物質についても食品衛生法で食品への残留が禁じられています。
Q10. 飼料に使った農薬が食肉に残留している心配はない?
A. 毒性が強くて分解されにくい農薬が家畜の体内に残留することを防止するため、食品衛生法などで厳しく規制が行われています。食肉については、輸入牛肉から有機塩素系農薬が検出されたことをきっかけに、暫定基準値が定められました。また、ポストハーベストといって、収穫後の農作物に害虫やカビが発生することを防止したり貯蔵中の発芽を防ぐために農薬を使用することは、国内ではほとんど行われていません。
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